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矯正相談の中でも「抜歯になりますか？」「できれば抜きたくないです…」というご質問はとても多いです。できれば歯を残したいというお気持ちは当然ですが、抜歯・非抜歯にはそれぞれ明確な役割があります。今回は、どのような基準で抜歯・非抜歯を判断するのか、そしてメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
《抜歯矯正とは？》
抜歯矯正は、主に第一小臼歯（4番の歯）を抜いてスペースをつくり、ガタガタの改善や前歯の後退を行う治療です。
こんなケースで選ばれやすい
- 歯列のスペース不足が大きい
- 横顔の前突感を改善したい
- 前歯をしっかり後ろに引き下げたい
- 突出した口元（口ゴボ）を下げたい
メリット
- 歯をきれいに並べるための十分なスペースが確保できる
- 前歯の位置を大きく後ろへ動かせる
- フェイスラインや口もとの改善効果が期待できる
デメリット
- 抜歯に抵抗がある
- 治療期間がやや長くなることがある
- スペース閉鎖に技術が必要
- 口元を下げすぎると老けて見えてしまうことがある
《非抜歯矯正とは？》
非抜歯矯正は、歯を抜かずに歯列全体を広げたり、奥歯を後ろに動かしたりしてスペースを作る治療です。
こんなケースで選ばれやすい
- ガタガタが軽度〜中等度
- 横顔のバランスが良く前突が少ない
- 歯列を広げても無理がない骨格
- 小児矯正である程度スペースが確保できている
メリット
- 歯を抜かずに済む
- 口腔内への侵襲が少ない
- 治療期間が短めになることもある
デメリット
- 歯列を広げすぎると後戻りしやすい
- 前歯が前突してきて“口元の前突感”が悪化することがある
- もともとの骨格に無理がある場合は仕上がりが不安定
《抜歯か非抜歯かはどう決める？》
実際には、見た目の印象だけでは判断できず、以下のような項目を総合的に分析して決めます。
● スペース不足量（歯の大きさと顎の大きさのバランス）
● 横顔（Eライン）の評価
● 前歯の傾斜・突出量
● 噛み合わせのタイプ
● 骨格の大きさ・バランス
● 口元のバランス
● 歯科用CT・セファロ分析の数値
特に重要なのが、横顔のバランスと前歯の位置です。
たとえば前歯がもともと前に出ている状態で非抜歯を選ぶと、さらに前突感が強くなり、仕上がりが不自然になってしまうことがあります。
逆に、骨格がしっかりしており歯列の幅に余裕がある場合は、非抜歯で十分きれいに整うことも多いです。
《「できれば歯を抜きたくない」という気持ちについて》
歯を抜かずに治療したいという気持ちは当然です。しかし“非抜歯＝良い治療”とは限りません。
歯を抜くことで結果的に
- 横顔がスッキリ整う
- 前歯の位置が適正になる
- 長期的に安定した噛み合わせになる
というメリットも多くあります。
逆に、無理に非抜歯にしてしまうと
- 前歯が出てしまう
- 噛み合わせが不安定
- 後戻りしやすい
など、結果に悪影響が出ることがあります。
《抜歯と非抜歯で迷ったら？》
「どちらが自分に合っているのか？」
これは、自己判断ではほぼ不可能です。
専門的な分析と診断に基づいて、
“あなたの骨格・歯並びにとって最も適切で後戻りしにくい方法” を選ぶことが重要です。
《歯列矯正専門医からのアドバイス》
抜歯・非抜歯の判断は、治療の仕上がりや横顔の美しさ、長期的な安定性に直結する非常に重要なポイントです。当院では、セファロ分析・CT・歯列データをもとに、骨格と歯並びを精密に評価し、もっとも無理のない治療方法をご提案しています。
「抜歯は避けたい」「できれば非抜歯で…」というお気持ちを尊重しつつ、長期的に安定して美しく整う治療を一緒に選んでいきましょう。
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