対象年齢
4~12歳
必要性
成長期にしかできない治療
成長を利用して、骨格のバランスを整えることができるのはこどもの矯正の大きな特徴です。より健康的で美しい骨格へ誘導していきます。
将来的な抜歯の可能性を減らせる
成人矯正では、歯を並べるためのスペースが足りなくて抜歯せざるを得ない場合があります。しかし、子どもの矯正では成長を利用してスペースを作り出すことができるため、非抜歯で仕上げることができる可能性が増えます。
呼吸や舌の位置などの口腔機能改善
近年、口腔機能に問題を抱える子どもたちが増えており、その影響で歯並びや身体機能に悪い影響がでることがあります。当院では歯を並べるだけではなく全身のバランスを考えながら治療計画を立てています。
正しい歯磨きや習慣の獲得
定期的に診察していくため、日々の歯磨きの変化が把握できます。歯並びがきれいになった後は、お口の中の問題で一生困ることがないように歯磨きのトレーニングを行います。
心の健康を保つ
思春期に入ると様々な悩みがでてきます。自身の見た目にコンプレックスを抱えてしまうと内向的になったり、心の発育に悪影響を与えてしまうこともあります。
装置
マウスピース型矯正装置(インビザライン)
取り外しできる透明なマウスピースで治療を進めていきます。小児期には効果的な場合が多く治療期間が比較的短く終えられます。また、装置の特性上自分で歯並びを治したという意識が生まれやすいので大きな成功体験となり精神的な成長も期待できます。
ムーシールド
下顎前突症(反対咬合)に使用します。お子様自身の舌や筋肉の力を利用して自然な力で治療ができます。
取り外し式で負担もなく、痛みも感じないことが多いです。
マルチブラケット
歯の表面にブラケットといわれる装置を接着し、そこにワイヤーを通して歯を動かしていきます。
成人に使用することが多い装置ですが、小児矯正においては前歯に限定して使用することがあります。
拡大床
顎の骨や歯列が狭い場合に効果的に拡大するための装置です。
取り外しができるので、負担が少なく、細かな調整がその場で可能なので様々な状況に合わせて使用できます。
T4K
癖の除去や、骨格の成長のコントロールのために使用します。取り外しができて、柔らかい素材でできているので不快感も少ない装置です。
マイオブレース
T4Kと同じく癖の除去や、骨格の成長のコントロールのために使用します。取り外しができて、柔らかい素材でできているので不快感も少ない装置ですが、成長の過程での使い分けが必要になります。
また、後戻りの防止のためにも使われます。
治療の目的
- 成長期という特性を利用して健康的で美しい骨格へ誘導します。
- 大人の歯への生え変わりがスムーズに進むようにお口の中の環境を整えます。
- 歯並びが悪くなるような癖や成長を妨げるようなかみ合わせを除去して健全な発育を促します。
リスク・デメリット
少ない負担で矯正治療ができるように、自分で取り外しのできる装置を主に使用しますが、協力が得られないと予定通りの効果が現れないことがあります。
開始時期
症状によって適切な開始時期がありますが、少なくとも小学校入学前後までには一度受診をお勧めいたします。
よくある質問
痛みはありますか?
歯が動くときは周囲の組織に炎症が起きたような状態になりそれが原因で痛みを感じることがあります。通常、約2日で痛みは落ち着いてくるので治療期間中ずっと痛いわけではありません。また、痛みの感じ方は個人差が大きいので感じ方は様々です。同じ刺激でも痛いと感じる方や、疼くような感覚と表現する方もいますし全く痛くなかったという方もいらっしゃいます。
ごく稀ですが、どうしても痛い場合は市販の痛み止めを服用していただくと十分効果があります。痛みが気になって矯正治療を迷っている患者様には痛みの感じ方が比較的マイルドなマウスピース矯正をお勧めしています。
学校に装置を持っていく必要はありますか?
治療計画上必要な場合は学校にいる間も装置の装着をお願いすることがありますが、破損や紛失のリスクがあるため治療を急ぐ必要が無ければそのような指導は行いません。
歯並びが家族と似ているのですが遺伝でしょうか?
骨格には遺伝傾向がありますのでその影響で歯並びも似てきてしまいます。
取り外し式の装置をきちんと使ってくれません。
どうしても使用状況がよくない場合は固定式(取り外しできないタイプ)の矯正装置に変更することも可能です。
後戻り(再発)はしますか?
後戻りの可能性はありますが、それを最大限排除するためにリテーナーの使用を推奨しています。また、成長の過程で新たな問題点が出てくることがあります。
治療期間はどれくらいでしょうか?
気になる所を治すだけであれば半年~1年半で終了することがほとんどです。その時点で治療終了としてもいいのですが、この時期は成長とともに咬み合わせや骨格のバランスの変化が激しいので新たな問題点が現れることも多々あります。安全に進めていくのであれば成長のピークが来始める12~13歳くらいまで管理していくことをお勧めします。結果的にトータルの治療期間は長期化してしまいますが、積極的に介入するのは前述のとおり半年~1年半で、1か月に1回の来院頻度です。それ以降は問題がないかの様子見になり半年~1年に1回の診察に移行しますので通院の負担はそこまでかかりません。
当院の料金システム上、通院期間が長期化したからといって追加で費用が発生することはありませんのでご安心ください。
保険適応になることがあるのでしょうか?
一部の症例において保険適応になることがあります。厚生労働大臣が定める疾患に該当する方や、骨格の不調和の大きい顎変形症と診断された方が対象となりますので、特に疾患などがない方は対象とはなりません。